NEWS RELEASE 2022年3月14日
京都洛柿庵 麻織
“四季折々のやすらぎを空間に”を理念に掲げ、麻生地と麻のインテリア用品の製造及び販売を行う株式会社ルシエール・ジャパン(京都市西京区 代表取締役:村田憲彦)は、2022年4月15日より、麻の織布(手織り麻生地)の価格改定を実施いたします。
価格改定実施日 2022年4月15日(金)受注分より
価格改定率 10~35%程度増
弊社では1990年より中国・四川省での手織りの麻生地生産を手掛け、日本国内にて流通および自社の麻製品への加工・販売を続けて参りました。
現在、四川省における手織りの麻生地の供給数は、生産者の減少や高齢化によって減少の一途を辿っております。更には昨今の気候変動による大洪水や長雨の影響を受けたことで、一時は生産が非常に困難な状況にまで陥りました。
このような状況下において織り上げた麻生地は価格が高騰、また為替の影響でさらに上昇が続き、生産の継続がますます困難となってまいりました。
手織りの麻には、機械織りの生地では決して出せない、自然そのままの野趣あふれる味わいがあります。職人たちの手から生まれる温かみや素朴さを持ち合わせ、さらには染色によって引き出される麻独特の色合いの魅力も備えています。
また最近よく謳われているSDGsですが、天然繊維から作られる麻は、生分解性のある環境に優しいサスティナブルな素材として、環境保護の観点からも注目されています。
現代において衰退してゆくも、明治以前までは常に日本の衣食住のそばにあった麻は、今再びその価値が見出されようとしているのです。
希少価値だけではない、創業以来こだわり続けた麻の魅力を多くの方々へ、そして未来へと伝えていくため、また消滅しつつある手織り職人の育成と継承を続けていくための取り組みの一環として、麻生地の価格改訂を実施することといたしました。
また今後、今回のような急激な値上げ幅にならないよう1年ごとに価格の見直しを行い、適正な価格でご提供できるよう努力して参ります。日頃よりご愛顧を賜っております皆様には、大変なご迷惑をお掛け致しますこと、心よりお詫び申し上げますと共に、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
麻製品の価格改定について
京都洛柿庵ののれんやタペストリーなどの麻製品の価格につきましては、2022年6月頃発刊(予定)の【秋新作カタログ】より価格改訂を実施させていただきます。価格改定などの詳しい内容については決定次第、弊社ホームページ上などを通して随時お知らせいたします。
京都洛柿庵の取り扱う手織り麻について
その昔、繊維を採るために盛んに栽培されていた苧麻(からむし)。
良質なその天然繊維は、布や紙・漁網などの生活必需品となって活躍していました。
しかし時代が進むにつれ、徐々に苧麻の栽培もそれを扱う作り手も減ってしまいました。
弊社の取り扱う麻織布は苧麻を使った織布を、手づくりによって織り上げております。まずは苧麻(からむし)から取り出した繊維を手績み(てうみ)の作業で糸にするところから始まります。
①苧麻(からむし)という名の2 m 程の植物を人の手で採取 。
②皮を剥ぎ 、 取り出した繊維 を 手で細く裂く 。
繊維一本ずつを結び目を作らずに、太さを揃えながら繋ぐ 。
③糸を揃えて並べて糊をつけ、炭をおこして乾燥させる。
裂けた箇所を繋いだり、毛羽立ちを防ぐことで糸をなめらかにし、織りやすくするため
④上下にタテ糸を分ける器具である綜絖(そうこう)にタテ糸を通す 。
機に糸を通す筬(おさ)にヨコ糸を通し、織り始める。
昔ながらの木製のはた織機で織り上げていきます。ヨコ糸を一段一段打ち込んで23mの長さに織り上げていきます。
まだこの段階の生地は生機(きばた)といわれるもので糊が付いており、染色は出来ません。
織り上がった生機を今度は工場で糊抜き精練し、プレスをかける事でしっかりとした張りのある麻織布が仕上がります。
現在、麻織布の用途としまして染色作家さん・染色メーカーの素材として、また支援学校の環境学習教材としてのご利用や友禅、手描き、草木染等の教室の教材としてご使用いただいてる実績がございます。新たな素材として麻織布をご利用いただく際は下記までお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
株式会社ルシエール・ジャパン 営業サポート部 担当:古川・佐保
〒615-8101 京都市西京区川島東代町31-2
TEL(075)394-0230 E-mail: info@leciel-japan.com